福島牛MAGAZINE「わ」

「福島牛マガジン(わ)」は、福島牛加盟店の情報が満載。
福島牛に関するさまざまな内容をお届けします。

特 集
野﨑洋光氏 インタビュー&青柳畜産訪問&おすすめレシピ

生産者と料理人が紡ぐ、新しい物語

【特別インタビュー】
野﨑洋光氏が語る 福島牛とふるさと

~料理人としての原点と、福島牛の未来を語る~

料理人としての原点はふるさとにある。
古殿町で生まれ育ち、和食の道を極めた野﨑洋光氏。
料理人としての歩みと、福島牛への想いを語ります。

故郷の味

私が生まれ育った古殿町は阿武隈山系の山間にある町で、豊かな自然に囲まれたところです。私の家は大家族で、明治生まれの祖父母は礼儀やしきたりを重んじ、季節ごとの行事も大切にしていました。幼い頃から行事食など古くから伝わる文化に触れてきたことは、料理人としての下地になっていると思います。
子どもの頃の思い出の味といえば、凍み餅や凍み豆腐、エゴマで作った冷や汁なども懐かしい味です。

料理人として

料理の世界は文学や歴史、美術や科学など、さまざまな要素を持っています。特に和食は季節を重んじ、繊細な味わいを大切にする。色や季節の表現も多様で奥深い。料理の世界に身を置く中で、私はさまざまなことを学び、料理に生かしたいと考え、実践してきました。
料理は、時代と共に進化していくものです。一方で私は「原点回帰」も必要だと思っています。言い換えれば、変わらないものの中に新しい変化を取り入れる。そんな料理を作り続けられればと思っています。

福島牛について

私は、全国の銘柄牛の中で、福島牛は決して劣ることのない肉だと思っています。どの銘柄牛も生産者の誠意が牛の品格に繋がると思います。福島牛は今後も、四季折々に変化する豊かな自然の中、健康的な飼育を徹底し、安心、安全をさらに前面に打ち出していくことが大事なのではないでしょうか。

野﨑 洋光氏

1953年 福島県石川郡古殿町出身。
和食の名店を手掛けてきたほか、伝統的でありながらも調理科学に裏打ちされた独創的なレシピを数多く考案。
2004年のアテネオリンピックの時には野球日本代表チーム総料理長に就任するなど多方面で活躍。
2023年 地元古殿町ふるさと応援大使に就任。
現在は和食料理人として企業アドバイザー、映画やドラマの料理監修なども行っている。

【故郷を訪ねて】
野﨑洋光氏、青柳畜産を訪問!

福島牛の未来を担う若き生産者と、料理の道を極めた巨匠との出会い。
ふるさとの畜産に触れた野﨑氏が感じた、福島牛の“人と情熱”に迫ります。

ふるさとの恵みを繋ぐ

今回野﨑さんが訪ねたのは、古殿町で3代続く畜産農家「青柳畜産」。3代目の青柳陽介さんは、郡山市の卸売業者で牛の目利きや流通を学んだ経験もあり、“消費者に求められる牛肉”の提供を目指しています。 青柳畜産では現在400頭もの牛を肥育。通常25~28カ月で出荷されることが多い中で、30~32カ月と時間をかけて牛を育てます。「当然費用も手間もかかりますが、その分肉の風味や旨味成分が凝縮されます」と、青柳さん。さらに飼料にビール粕を混ぜるなど独自の工夫も凝らし、より質の高い福島牛の生産に向け努力を重ねています。

“和顔”の牛達と触れ合う

青柳畜産を訪れた野﨑さんは、その規模の大きさに驚いたといいます。「山間部でこれだけの牛を肥育しているとは思いませんでした。ここは、風も抜ける良い場所だと思います」。また、牛舎の牛を見て、「“和顔”をしているね。やはりホルスタインとは違う」と、笑顔を見せます。青柳さんをはじめ青柳畜産のスタッフには「ぜひ、福島牛を育てているというプライドを持って、頑張ってほしい」とエールを送りました。

福島牛の未来を担う人々へ

福島牛の知名度を上げたいという青柳さんの悩みに対し、「牛肉を食べて、産地がわかる人は少ないでしょう。私は、生産者の顔を出していくことが必要だと思っています」と野﨑さん。今や、どんな食べ物でも安心・安全が必須条件となっている中で、福島牛にもさらに付加価値を持たせることが知名度アップに繋がるのではないかと提案。「田舎であることだったり、生産者のこだわりだったり、周囲も巻き込んでどんどん新しい魅力を創り、打ち出していくと良いと思います」と野﨑さん。青柳さんも「私達生産者も、より良い福島牛を提供できるよう、努力をしていきたいと思います」と応えていました。

株式会社 青柳畜産 青柳 陽介氏

11981年、古殿町に3代続く畜産農家に生まれる。高校卒業後、郡山市で食肉卸・小売を手掛ける丸戸産業に入社。目利きや流通の研鑽を積んだ後、2004年青柳畜産へ。県内を代表する若手の飼育農家として数々の賞を受賞し、独自のブランド牛「青柳牛」の評価も高い。

【福島牛を使用した野﨑氏おすすめレシピ】
牛肉の茜煮(ケチャップ煮)

材料(2人分)

牛モモ肉(かたまり)
250g
(A)水
100cc
(A)酒
100cc
(A)砂糖
40g
(A)しょう油
30cc
ケチャップ
大さじ3
水溶き片栗粉
 
 片栗粉
小さじ1
 水
小さじ2
ほうれん草
2株
練り辛子
適量

作り方

  1. 1

    牛肉は厚めのそぎ切りにする。

  2. 2

    鍋に湯を沸かし、①の牛肉を熱湯に10秒入れて肉が白くなったら水にとって軽く洗い、水気を切る(霜降り)。

  3. 3

    鍋に(A)と②の牛肉を入れて火にかける。鍋は、肉が汁に浸る大きさのものを使用する。

  4. 4

    ③が煮立ったら牛肉を一度取り出し、煮汁だけを煮詰める。煮汁が半分位の量になり、泡が大きくなったら肉を戻し入れ、ケチャップを加えて1~2分煮て味を絡めたら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。

  5. 5

    ほうれん草はゆでて5cmほどの長さに切る。

  6. 6

    器に④の牛肉を盛りつけ、⑤のほうれん草と練り辛子を添える。

もっとおいしく

  • 最初に牛肉を霜降りにすることで、肉の余分な脂や汚れを落とします。また、一度肉を取り出して煮汁だけを煮詰めるのは肉が硬くなり過ぎないようにするためで、程よい食感に仕上げることができます。

【2026年1月20日号】

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