福島牛Magazine「わ」 畜産農家訪問 育む人

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桑原 伸二さん

毎日の積み重ねがより良い「福島牛」に

牛の健康管理のためには、環境を整えることが肝心

郡山市街地の東、遠く安達太良山や磐梯山を見晴らすことのできる開けた丘の上に、桑原さんの牛舎があります。ここで桑原さんは先代から引き継ぎ、140頭もの牛の肥育を行っています。
広々とした敷地に建てられた牛舎は、仕切りが広めに施されています。「狭いところだと中には餌にありつけない牛が出たり、牛同士の諍いが起きたりします。ゆったりとしたスペースで育てた方が牛にストレスがかかりません」。牛の肥育には健康管理が大切と桑原さん。夏の暑さや冬の寒さに応じて風通しを考えたり、シートの調節をしたり。「牛も風邪をひくこともあれば病気にもなります。それを防ぎ、早めに見極めて対応できるように努めています」。朝晩の見回りも行い、牛の様子を見守ります。「長期間の休みをとることができないなど、大変な面もありますが、丁寧に育てた牛が高い評価を受けたときにはやりがいを感じますね」。
福島牛は全国の銘柄牛にも引けをとらないと桑原さん。これからも毎日の積み重ねを大切に、より良い牛を育てていきたいと話してくれました。

1年を通じて早朝から牛舎に足を運びます。

「牛は好奇心旺盛だが臆病」と桑原さん。

【郡山市】

桑原 伸二さん

1969年生まれ。高校卒業後、父親の営む畜産業を継ぐ。
現在は妹とともに2カ所の牛舎で牛の世話を行っている。

【2024年2月20日号】

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