福島牛Magazine「わ」 畜産農家訪問 育む人

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佐々木 利定さん

「福島牛」のブランドをより多くの人に知ってほしい。

良い仔牛を見極め、最後まできっちり育てあげることが大切です。

郡山市中心部の北側。佐々木さんの牛舎は、近年開発が続く地域の間近に立ち並びます。聞けば佐々木家ははっきりしているだけで19代を数えるそうで、現在はここで稲作と牛の肥育を行っています。佐々木さんが本格的に牛の肥育に取り組むようになったのは35、36年程前のこと。それまで10頭程だった牛を徐々に増やし、現在は85頭程の牛を育てています。
「良い牛を育てるためには、やはり良い仔牛を見極めることが大切です」と、佐々木さん。「生後2、3ヵ月頃は身体の基礎を作る大切な時期。系統や、それまでの餌の与え方などでその後の育ち方が決まります」と、長年の経験とともにデータや参考資料の研究も行い、毎回セリに臨むそうです。そして、仕入れた仔牛について、それぞれの個性や特徴を見極めることも大事にしています。
牛舎は、小高く風通しも良い場所にありますが、夏の暑い時期にはミストを導入するなどして、牛にとってより良い環境作りにも心を配ります。6町歩ある田んぼの稲わらも、大事な飼料として活用しています。そしてやはり、毎日の牛の体調管理は欠かせません。
「福島牛は、JAを中心に皆が良い牛を作ろうと頑張っています。私たちも、できるだけ努力を重ね、ブランド牛として地元はもとより広く認めてもらえるようになればと思っています」。

【郡山市】

佐々木 利定さん

農協に勤務した後に農業を継ぐことに。現在は市内に数カ所ある田で稲作を行いながら、牛の世話をする。娘さんのご主人が後継者として共に働き、利定さんを支える。

【2022年12月1日号】

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