福島牛Magazine「わ」 畜産農家訪問 育む人

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坪井 徳幸さん、坪井 末子さん

独自のマニュアルとストレスのない環境づくり

30年の経験で培った独自のマニュアルとストレスのない環境づくりで品質の良い「福島牛」を。

のどかな田園風景が広がる田村市大越町で30年以上に渡って牛の飼育に携わってきた坪井徳幸さん・末子さんご夫婦。以前は全国一の生産量を誇った葉たばこや水稲などの農産物も兼業で行っていましたが、「牛一本でやっていきたい」と一大決心。以来、夫婦二人三脚で品質の良い牛づくりに努めてきました。
現在は桑畑の名残を残す緩やかな傾斜に沿うようにして立ち並んだ牛舎で、120頭前後の牛がのびのびと育てられています。実は和牛の肥育に専念するまではF1(和牛とホルスタインの交雑種)の飼育や繁殖なども行ってきたという坪井さん。「和牛はすごく神経質なんだよ。だからストレスなく落ち着いた環境をつくってあげることが大切」と、仔牛の時期の腹づくりと一頭一頭の細かな体調管理を心がけています。特に農場にやってきてからの4カ月程度は、大きく育つための土台となる重要な時期。愛情をたっぷり注ぎながら餌の配合にも気をつかっています。また、牛たちがどれくらい餌を食べたかを毎日細かく記録し、独自のマニュアルを作ることで安定した肉質の牛を育てることに繋げています。
今ではそうしたノウハウを学びたいと教えを請う畜産農家もいるほど。共励会などでの受賞歴も豊富で、福島を代表する腕利きの畜産農家の地位を築いています。

【田村市】

坪井 徳幸さん、坪井 末子さん

徳幸さんの両親から引き継ぐ形で農業と畜産業の兼業からスタート。現在は、福島牛の肥育に専念し、牛優先主義の育成に夫婦二人三脚で取り組んでいる。

【2022年2月1日号】

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