福島牛Magazine「わ」 畜産農家訪問 育む人

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野内牧場野内 和幸さん

繁殖・肥育一貫経営で高品質の「福島牛」を。

福島県内初、肉牛のJGAP認証牧場。繁殖・肥育一貫経営で高品質の「福島牛」を。

安達太良山の麓、おいしい米の産地としても知られる大玉村で、野内家では和幸さんの先々代から牛を飼っていたそうです。ずっと肥育を行ってきましたが、和幸さんは就農して間もなく牛舎を建て替え、繁殖にも取り組み始めました。
現在は繁殖・肥育一貫経営で、より品質の高い福島牛の生産を目指しています。整然と区分けされた牧舎では、生まれたばかりの仔牛から近く出荷を迎える牛まで、30頭ほどが健やかに過ごしています。肥育・繁殖一貫経営の場合、親がはっきりしているので、生まれた仔牛の特性(肉質や性格、大きくなるかどうかなど)を肥育段階で活かすことができるそうです。野内牧場ではまた、稲わらや牧草の粗飼料も地元産のものを用い、さらに添加飼料にもこだわり、自ら納得のいく飼育を行っています。
野内牧場は2021年、福島牛の生産者として初めて、食の安全や環境保全に配慮した農場に与えられる「JGAP」を取得しました。「風評被害の払拭、そして他の農場との差別化を図るため、また、福島県がGAP取得に力を入れていたこともあり、認証を目指しました」と、野内さん。認証を受けるには牛の飼育環境や飼料、水、さらに労働環境にいたるまで100以上ものチェック項目があり、それらをクリアした野内牧場には、より安全で環境にもやさしい牧場である“お墨付き”が与えられたということです。

野内牧場【大玉村】

野内 和幸さん

1967年5月10日大玉村生まれ。
会社務めを経て1990年、33歳で就農。
2021年3月、家畜・畜産物のJGAP認証で県内初の取得。

【2021年10月20日号】

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